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複雑な根っこの治療
こんにちは院長の馬場です。
神経を取ったのに歯が痛い。どうして?
神経を取ったはずなのに歯に痛みがある、ということが起きる場合があります。神経がないのに、なぜ痛みが出るのか、不思議に思う人もいるかもしれません。神経を取ったばかりで痛みが続くと、「治療に失敗したのでは?」と不安に思う人もいることでしょう。
今回は、なぜ神経を取った歯で痛みを感じることがあるのか、について解説していきます。
【神経を取った歯が痛む理由】
♦︎神経を取った直後の傷口の痛み
生きている神経を取る際には麻酔をして行いますが、麻酔が切れた後には通常痛みが出てきます。それは、歯の中の神経を取り除く際、顎の骨から伸びている神経を根元部分で断ち切っていることで、そこが傷口となってしまうからです。この痛みは徐々に落ち着き、数日は歯に触れると痛みを感じますが、通常は落ち着いてきます。
♦︎細かい神経が取りきれていない
神経が取り残されてしまった場合、その部分が歯髄炎を起こして痛むことがあります。これは特に奥歯で起こりやすい傾向があります。奥歯は歯根が複数存在し、複雑に枝分かれしていることが多いため、全て取りきれない場合というのが起こりやすくなるためです。
この治療はもともと難易度は高く、保険診療での成功率は50%程度といわれています。根管の形態によっても、それぞれ難易度が変わってきます。器具が届きにくい形をしているものもあります。
♦︎器具や薬剤による圧力
歯の神経を抜いた後、歯の根っこの神経が入っていた部分(根管)をきれいにお掃除する治療をしていきます。根っこの神経が入っていた部分(根管)を、針のような細い器具を使って汚れを除去し、きれいに形を整え、薬剤で消毒・殺菌していきます。細い針のような道具で内部を清掃する際に、歯根の先端部分に圧がかかることで、治療後に痛みが出ることがあります。
また、根の治療の最終段階で、固形の薬を詰める際に、同様に圧が加わり痛みが出ることがあります。
このような痛みは一時期的なものなので、ほとんどの場合、自然に落ち着きます。
上記の3つは根の治療の最中に起こる痛みです。また、元々神経を抜く前に痛みが強かったり、炎症反応が強く出ていた歯はこれらの痛みが長く続く場合があります。
♦︎歯の内部に感染が起こった
神経を取った後に内部がきれいになったら、空洞部分に細菌感染が起こらないように緊密に固形の薬剤を詰めます。しかし、完全に内部を無菌状態にすることはできませんし、外部からなんらかの形で細菌が入り込むと、内部で細菌が繁殖し、それが歯根周囲に膿を溜めるという形となり、その圧力によって痛みが出ることがあります。
♦︎歯の根っこが折れた
神経を取り除くと、それと同時に歯に栄養を送っている血管も取り除かれるため、歯に栄養がいかなくなります。そうすると歯が折れやすくなり、強い力がかかると歯根が折れてしまうことがあります。歯根が折れても、見た目ではわかりませんが、噛むと痛む、歯茎が炎症を起こして腫れて痛む、といったことが起こってきます。
♦︎かみ合わせが合っていない
かみ合わせが合っていないと、神経を抜いた歯でも痛みや違和感を感じることがあります。人間のかみ合わせというのは、髪の毛一本入っていても分かるくらい繊細なものです。かみ合わせが少しでも合っていなかったり高かったりすると、その歯に負担がかかり、歯の根っこの周りの組織にまで刺激が加わります。そのため、歯そのものが痛んでるのではなく、歯の根っこの先やその周りの組織の部分で痛みを感じているのです。
♦︎歯周病による痛み
神経を抜いた歯は、むし歯によって歯の痛みが生じることはありません。しかし、歯周病による痛みは発生します。むし歯をいくら治療しても、歯や歯ぐきのケアがおろそかでは歯周病は進行してしまいます。歯周病が進行すると、歯ぐきに炎症が起こって痛みや腫れなどの症状を引き起こします。この症状は、むし歯による痛みとは違うので、比較的分かりやすいかもしれません。
【神経を抜いた歯が痛い場合の治療法】
神経を抜いた歯が痛い場合の治療法には、いくつかの選択肢があります。
①神経が入っていた管(根管)のお掃除
根管治療が不十分で、再度、細菌による感染や痛みの再発などが生じている場合は、自費による精密な根管処置をするのもひとつの手です。
自費による治療にはなりますが、時間や使える器材・お薬に限りがないため、治療の精度が高く再発のリスクが低くなります。抜歯をしたくない方、質の高い治療を受けたい方、歯を長持ちさせて一生ご自身の歯で食事を楽しみたい方にはおすすめです。
根管というのはとても細く、暗く、複雑に入り組んだ構造をしています。標準的な治療ではなく、歯科用顕微鏡であるマイクロスコープを用いた精密根管治療なら、視野を拡大できるだけでなく、根管内もライトで明るく照らせます。そのため、腐敗した神経など汚染物質の取り残しも少なくなります。根管内がきれいに清掃され、痛みも自然と消失し、歯の根っこの周りの症状も徐々に改善されていくことでしょう。
②歯周病治療
神経を抜いた後の痛みが歯周病によるものであれば、歯周病の治療が必要となります。
状態により対応方法はさまざまですが、歯ぐきに痛みや腫れがあったり、膿の塊がある場合は、かなり進行している可能性がありますので、一般的な歯周基本治療のみで改善することは難しい可能性があります。歯ぐきをメスで切開し、歯の根っこの歯石を取り除くなどの歯周外科治療も必要になるかもしれません。
③抜歯
歯の根っこが割れていたり、精密根管治療でも症状の改善が見込めなかったりする場合は、抜歯をする可能性があります。歯の根っこが割れていると、残念ながら、ほとんどのケースでその歯を残すことはできません。歯が割れている方向にもよりますが、根っこがが垂直的に割れている場合は、手の施しようがないため、抜歯を余儀なくされます。
根管の治療は、歯を保存するためにとても重要ですので、状態によっては時間が長くかかることもあります。しかし、きちんと定期的に治療していくことがとても大事な処置ですので、最後まで頑張りましょう。ただ、どんなに精密に根管治療をしていても、状態が悪い場合は抜歯になることもあります。本八幡から徒歩一分の本八幡TaCファミリー歯科では、神経の治療の相談をお待ちしています。
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