こんにちは。

本八幡Tacファミリー歯科です。

今回は、無歯顎（歯がない方）の口腔内のお掃除のやり方を説明いたします。

「歯がないから磨く必要がない」「入れ歯をしっかりと掃除しているから大丈夫だ」と思っている方が多いと思います。

歯がなくてもお口のケアはとても重要です。

歯がないことによって起こる口腔粘膜の危険性や行って欲しいケアを紹介いたします。

入れ歯と接している歯茎や上顎には、入れ歯と歯茎の隙間に侵入した食物残渣（食べ残り）や細菌が付着しています。

粘膜の清掃を怠り不衛生のままみしておくと、汚れが中で感染が繁殖し気管を通って細菌が肺へと侵入し、

肺炎を起こすという恐れがあります。

誤嚥性肺炎という言葉を知っていますか？

日本人に多い死因として、がん、心筋梗塞、脳卒中に続いて、肺炎、気管支炎が挙げられます。

高齢者の肺炎は、口の中の細菌などが誤って肺に入って発症する「誤嚥性肺炎」の割合が高いと言われています。

誤嚥性肺炎は、食べ物が誤って気道に入ってしまったり、唾液を飲み込む際に口腔内の細菌が誤って肺に

入ったしまったりして起こるものです。

また、高齢者は睡眠中などの知らない間に、唾液を誤嚥していることがあります。

その際に口の中の細菌が気道の中に入り込んでしまったことで、誤嚥性肺炎を起こすことがあります。

また唾液が減少すると粘膜の免疫力が低下します。

歯茎に歯がなくなり、入れ歯が乗っている状態だけの状態では刺激が伝わらない為、歯茎の退縮が起こり始めます。

歯茎の盛り上がりが少なくなると、入れ歯を安定させる吸着力が働きにくく、作成した入れ歯と形も合わなくなり、

安定しずらくなってしまいます。

唾液には、体内に侵入しようとするウイルスや細菌の活動を抑制する抗菌作用によって身を守る

「免疫システム」があります。

歯茎が歯ブラシによる刺激を与えないでいると、唾液の分泌量が低下し、粘膜の免疫力が低下してしまうのです。

人間が持つ優れたこのシステムも、お口の中が不衛生なままでは機能してくれないのです。

□口腔内清掃□

①義歯を取り外します。

※義歯も義歯用ブラシなどを使って流水下できれいに磨きます。

②うがいなどで食物残渣を除き、口腔内を湿らせます。

スポンジブラシでお口の頬の内側や唇の内側、歯茎、上あご、舌などの汚れを優しく取り除きます。

③歯ブラシを歯面にに軽く当て、振動させるように磨きます。

ペンクリップで持つと適切な強さになります。

義歯との境の部分、歯の裏側も丁寧に磨きます。

④舌や粘膜をスポンジブラシ等で拭きます。

⑤うがいやガーゼで清拭を行い、さっぱりとした状態で終了です。

□マッサージ□

まずは手をきれいに洗ってください。

人差し指の腹で、歯茎と口の粘膜の境目をゆっくり押し撫でます。

下の奥から前へ左右両方、２、３回行います。

そして、上の歯茎も同様にゆっくり行います。

人差し指と親指で歯茎をつまむように挟んで圧迫するようにマッサージします。

人差し指を使って、お口の中からほうれい線を伸ばすようにマッサージします。

奥から手前に皮膚を引っ張り伸ばすようにゆっくりと前に持ってきます。

歯がなくても定期的に歯科医院にて検診をしましょう。