こんにちは。

本八幡Tacファミリー歯科です。

前回「フッ素の歴史」についてお話しさせていただきました。

そこで今回は「歯科矯正の歴史」についてお話ししたいと思います。

「歯科矯正」がどれだけ前から存在していたのか知っていますか？

現代の歯科矯正では、金属の機器を使用した以前の矯正法のほかに、透明の薄いプラスチックで形成された

マウスピースによる矯正を利用される方が多くなってきています。

マウスピース矯正が流行り出したのはごく最近で、それより前は金属を使用した矯正治療が主流でした。

金属を使用した歯科矯正はいつから始まり、今まではどの様な矯正治療が行われてきたのでしょうか？

これまでの歯科矯正の変遷についてお話ししたいと思います。

■歯科矯正って何？

歯科矯正とはどの糖な治療を指すのでしょうか。

「歯科矯正学」の定義には、乱れている噛み合わせの治療だけではなく、首から上の成長や発育の研究も含まれており、

幼少期の成長における頭蓋から顎骨までの発育も研究の対象となっております。

歯科矯正は、「歯科矯正学」という歯や顎を調節することで正しくない噛み合わせを改善するために研究や分析、

そして治療を行う学問から生まれました。

歯や顎を含めた顔における異常問題は古代ギリシャの時代から既に言及されていた記憶が残っており、何千年も前から

矯正に関係する治療が始まっていました。

歯科矯正の始まりはローマ

最初に歯の矯正について言及したのは、ローマの医師であると言われています。

彼は乳歯が抜け落ちた後に生えてきた永久歯が異常な位置に生えてきた場合、「指で押して正しい配置に戻すように」と

話したそうです。

また、噛み合わせや不正な歯並びに関わる頭蓋や顔の異常について言及した人物がギリシャの医師と言われています。

以上のことから「歯科矯正学」という学問が誕生するより前から、ギリシャの医師たちは、歯の矯正治療をすることが

できることを知っていたことが窺えます。

現代の様に機器を使用した本格的な強制が始まったのは西暦1700年頃であり、

その後はさまざまな方法が生み出されていく様になりました。

２種類の歯科矯正の方法

歯科矯正の歴史を紐解くと、以前まで行われてきた治療方法が現代の歯科矯正の始まりになっていることが実感できます。

ここでは、現代までの歯科矯正において行われてきた矯正治療法についてご紹介いたします。

その方法を辿っていくと、さまざまな治療法に枝分かれしていき、数多くの治療法が確立されてきました。

そのため、今回はとりわけ代表的な２種類の歯科矯正の方法をご紹介いたします。

■エッジワイズ法

「エッジワイズ法」とは1900年代に登場した歯科矯正学では大変有名な治療法です。

生みの親の名前にちなんで、「エッジワイズ法」は別名「アングル法」とも呼ばれていました。

歯科矯正医の間では知らないものはいないとされている人物で、当時の矯正機器を大幅に改良し、

歯科矯正学の教育学級を設立しました。

その多大な功績を残したことから「歯科矯正学の父」と呼ばれています。

彼はあらゆる正しくない噛み合わせを分類し、またその分類においてそれぞれの治療方法を

確立しました。

この「エッジワイズ」は、日本の現在の矯正治療の基礎とも呼べる治療法です。

開発者の塾を卒業した日本人の歯科医師によって初めて日本に伝えられ、その後は数多くの医師たちにより

さまざまな改良が施されていき、現代の矯正治療法に到達したとされています。

■べッグ法

「べッグ法」についてご紹介いたします。

「べッグ法」とはオーストラリア矯正歯科医により開発された歯科矯正の方法で、生みの親の名前にちなんで

ベッグ法という名前がつきました。

ベッグ法を生み出した歯科矯正医は、一つ目にご紹介しましたエッジワイズ法が発表されてからその約２５年後に登場しました。

この「ベッグ法」は強い矯正の力ではを動かすエッジワイズ法とは違う考えに基づいており、

弱い力ではを動かす矯正治療を唱えていました。

その為、エッジワイズ法と比較すると細かい調節や歯の複雑な移動などが苦手な治療法でもありました。

その為、ベッグ法を取り入れる歯科医院はそれほど多くはなかったですが、ベッグ方はのちにエッジワイズ法に多大な

影響を及ぼしたとされます。

現代の歯科矯正の様に、強い力で歯を矯正するワイヤー矯正と、弱い力で歯を矯正するマウスピース矯正が

混在している部分が似ていると感じます。

歯科矯正の歴史を紐解いたことで、現代まで行われてきた矯正の研究と機器の改良の数々を知ることができました。

紀元前から歯の矯正が可能であることがわかっていたことに驚かれた方もいらっしゃるでしょう。

指で歯を押すという原始的な方法により矯正を行なっていましたが、現在は機器を使って

機械的に強制することが当たり前になっています。

それを思うと、歴史の流れとともに人類の歯並びがいかに複雑なものに変化してきているのかということを知ることが

できたかと思います。

現代の新しいマウスピース矯正が流行しているように、歯科矯正はこれからも新しい治療法が確立されることになるでしょう。