コラム COLUMN
やばい歯磨き粉の成分
こんにちは、歯科衛生士の庄司です。
不要な成分が市販の歯磨き粉には入っている
一般的にスーパーやドラッグストアで販売されている歯磨き粉というのは、本来歯磨き粉に必要のない成分が含まれている場合があります。
もちろん、歯磨き粉に入っているからといってすぐに健康へ害を与えるような成分ではありませんが、私たち歯医者としては不要と考えている次第です。
不要な成分の代表例①:発泡剤「ラウリル硫酸ナトリウム」
私たち歯医者が歯磨き粉に不要だと考えている成分の代表例1つ目が「ラウリル硫酸ナトリウム」がんの発生率を高める可能性がある成分。
ラウリル硫酸ナトリウムの役割は、発泡剤という泡立ちを良くするというものです。
この成分は、歯磨き粉以外にもシャンプーや洗顔料、洗濯用洗剤、台所用洗剤といった
日用品の多くに利用されている界面活性剤の1つです。
日本で市販されている歯磨き粉では、およそ8割近くに含有されていると言われています。
泡立ちを良くしてくれるので、歯磨きをした際の満足感は非常に感じやすいでしょう。
しかし、弱点として磨き残しが発生しやすいという点があります。
必要以上の泡立ちは、磨き残しを引き起こしやすく結果として歯石が溜まりやすく虫歯の原因となる場合が考えられるので注意が必要なのです。
不要な成分の代表例②:研磨剤「炭酸ナトリウム」・「ケイ素」
続いて2つ目は、「炭酸ナトリウム」や「ケイ素」と言った研磨剤です。
歯磨き粉における研磨剤の役割は、歯の表面をツルツルにしてくれたり、歯を白く見せてくれるというもの。
この研磨剤入りの歯磨き粉を利用した際の弱点として、長時間利用したり、歯の表面を顕微鏡で見ると歯の表面に細かい傷がついてしまう場合があります。
歯のエナメル質を傷つけるだけでなく、歯茎にもダメージを与えることがあるので研磨剤入りは歯医者から敬遠されやすいですね。
ちなみに、ホワイトニング用の歯磨き粉になると一部研磨剤を含むものもありますが、主に研磨剤を使用せずホワイトニング有効成分が用いられる場合が多いので、通常の歯磨き粉とは少し異なります。
歯磨き粉を選ぶ際に気をつけること
1つのメーカーを例にとってみても、歯科医院専売の歯磨き粉にはラウリル硫酸ナトリウムや研磨剤を含まない商品を提供していても、一般販売の歯磨き粉には両方が含まれていることがあります。
やはり、一般的な歯磨き粉としては泡立ちの良さや磨いた後の清涼感や歯の白さ、ツルツル感があった方が受けが良いのでしょう。
歯が体の健康にも影響を与えることは、これまで他の記事でもご紹介してきている通りですので、歯磨き粉1つとってもぜひ安心安全なものをお使いいただければと思います。
大人の歯磨き粉だけでも何種類もあるのに、子供用からデンタルリンスまで種類の多さに参ってしまうのが普通ではないでしょうか?
今回はそんな疑問を解決するために歯磨き粉選びのポイントを3つご紹介します。おすすめ歯磨き粉の商品も合わせてご紹介します。
①フッ素濃度の高い歯磨き粉を選ぶこと
フッ素の虫歯予防効果は絶大なものがあり、利用しない手はありません。現在の日本の歯磨き粉のフッ素濃度の上限は950ppmFから1450ppmFに引き揚げられましたので、ぜひ1450ppmFのものをお買い求めください。
②研磨剤の少ない物を選ぶこと
研磨剤が入っている理由は、歯の着色をとることにあります。しかし、粗い研磨剤が入っているほど歯の表面を傷つけることになるだけでなく、表面の凸凹にステインが溜まり余計に着色が付きやすくなります。安い歯磨き粉でホワイトニングを謳っている商品のほとんどがこれに当たるかもしれません。
また、研磨剤が粗いほど歯根を削ってしまうために歯と歯茎の際(きわ)=歯頚部がどんどん減っていきます。これが知覚過敏の原因になるので、なおさら研磨剤が少ないものをお薦めします。
③発泡の少ない物
歯磨き粉をつけて磨くと泡がたくさん出てさもよく磨けたような錯覚に陥ることがあります。しかし、泡をだす成分はラウリル硫酸ナトリウムという成分が原因であり、これはシャンプーにも入っていますが薬用成分はありません。つまり、磨いた気になるだけで特に意味はありません。しかも、すぐ口を濯ぎたくなりますので、歯磨きの時間が短くなってしまう傾向があります。つまり、発泡成分意味はないので低発泡のものを選びましょう。
おすすめの歯磨き粉の商品紹介
以上の条件を満たしているものとして、当院がお勧めする歯磨き粉の商品を紹介します。
本当にこれらなら問題ないかとおもいます。
・チェックアップ スタンダード(ライオン社製品)
高濃度のフッ素になったためパッケージが一新されました。
・ルシェロホワイト (GC社製品)
ただし、研磨剤で磨いて着色をとるのではなく、ポリエチレングリコールという成分がステインを浮かして除去するので歯の表面を傷付けません。
歯の着色が気になる人はぜひお買い求めください。