
コラム COLUMN
歯の欠損と埋伏
院長の馬場です。
歯の欠損
歯を失う原因は、虫歯・歯周病・あるいは事故などいくつか思いつくことがありますが、先天的に(生まれつき)歯の本数が少ないことも少なくありません。
歯の生え変わり時期にレントゲンを撮って永久歯が写っていないと、その歯はおそらく先天的に欠損している歯でしょう。
永久歯欠損の対応方法について
永久歯が欠損している場合、いくつかの対応方法があります。
① 欠損している永久歯に対応する乳歯をできるだけ長く維持する
そもそも乳歯がぐらぐらして生え変わるのは、下から永久歯が押し上げてきて乳歯の根を吸収し短くしていくことで起こります。したがって、下に永久歯が控えていない乳歯は根吸収が起こらず、本来生え変わる時期に歯の動揺が起こりません。
お口の中の状態が良ければ30代くらいまで乳歯を使って普通の食生活がおくれます。ただし、解剖学的に永久歯よりも弱い構造・形態の乳歯ですので一生使うのは困難だと思います。ゆくゆくは別の方法を考えていく必要があるでしょう。
② 欠損している永久歯に対応する乳歯を抜き、歯科矯正で隙間をとじる
前述したように、下に永久歯が控えていない乳歯は抜けにくいです。それをあえて積極的に抜き、矯正治療で欠損部分に歯を寄せてくる方法です。
そう生がきつい患者様は永久歯を抜いて矯正を始める場合もあるので、歯1本分のスペースは矯正で閉じることはできます。しかし、もともとの歯並びがすきっ歯の場合には適応外になるので、詳しくはご相談下さい。
③ インプラント・ブリッジ・部分入れ歯で補う
歯が無いところに歯を作る方法です。
インプラントとは人工歯根と呼ばれるチタン製のねじを顎骨内に埋入し、その上に歯の被せ物をしていく方法です。
ブリッジとは欠損している部分の両側の歯を橋ゲタにして連結した被せ物で橋渡しする方法です。両側の歯が虫歯のない健康な歯の場合でも、大きく削る必要が出てきます。
部分入れ歯を入れることでも欠損部分を補うことはできます。最近では針金が目立たない入れ歯や柔らかい素材でできた入れ歯など目立ちにくいものも増えています。
どの方法もメリットとデメリットがありますので、詳しくはお尋ね下さい。
埋伏歯
「歯が埋まっていると言われました!」
それは埋伏歯です!埋伏歯とは、歯の頭(歯冠)の全てまたは一部が、顎の骨 に埋まって出ていない歯のことをいいます。
歯が骨の中に完全に埋まっているものを「完全埋伏歯」、歯冠の一部が見えているものを「半埋伏歯」または「不完全埋伏歯」といいます。
埋伏歯で多いのは…
① 上下顎の親知らず
② 上顎の真ん中の歯
③ 上顎の犬歯
埋伏歯の症状
完全埋伏歯は無症状に経過するため、本人も気づかずパノラマレントゲン撮影時にはじめて発見されることが多いです。不完全埋伏歯は、清掃不足による歯肉炎や虫歯によって痛みが生じる事があります。
一般的に、矯正治療で引っ張りだす(牽引)必要がある埋伏歯は、前歯や犬歯で、完全埋伏歯の事が多いので、なかなか気付きにくいです。
埋伏の原因
・ 乳歯の早期脱落により、奥歯が前に移動してしまい、萌出する為のスペースの不足による埋伏
・ 乳歯をぶつけた為に永久歯の歯胚の位置・方向が悪くなってしまい埋伏
・ 乳歯の神経の治療をした事による埋伏
・ 粘膜肥厚による6歳臼歯(第1大臼歯)の埋伏
いずれにせよまずは相談してください!
本八幡tacファミリー歯科では丁寧に説明します