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妊婦の歯の管理ってどうすればいいの?

みなさん、こんにちは、本八幡TaCファミリー歯科の院長馬場です。

今日は妊産婦と口腔内の関係についてお話します。

妊娠中の口の中は虫歯や歯周病のリスクが高くなります。

その原因の1つとしてつわり(悪阻)が挙げられます。

つわりは、妊娠5~6週頃から12~16週頃まで続く、悪心・嘔吐・食欲不振などの消化器症状のことです。

 

歯磨きをすると吐き気が誘発されて、口腔内の清掃が困難になります。

さらに、妊娠によって嗜好が変化したり、食事回数が増加することによって

唾液のpHが低下し、プラーク量が増加します。

その他にも妊娠すると、エストロゲン・プロゲステロンなどの女性ホルモンの分泌が増加します。

これらのホルモンによって、特定の菌種(p.i菌:prevotella intermadia) の発育が促進されて

歯肉炎を引き起こす「妊娠性歯肉炎」や限局性の炎症性腫瘤である

「妊娠性エプーリス」を発症させることがあります。なんですかそれ?ってなりますよねわかります。

口腔内には細菌が500~600種類が同定され、その中でも歯周病原細菌とされるものは10~15種類程度といわれています。

妊娠性歯肉炎は妊娠2ヶ月頃から歯肉辺縁や歯間乳頭が発赤や腫れ始め、妊娠8ヶ月頃まで続きます。

そしてエプーリスと歯茎に生じた限局性の腫瘤で炎症性または反応性の増殖物のことを指します。

様々な種類がありますが”妊娠性エプーリス”とは”血管腫性エプーリス”に

分類され、毛細血管の増生と拡張が著しいエプーリスです。参考までに

エプーリスとは
エプーリス(epulis)は歯肉腫ともいわれ、歯肉(ulis)の上(ep)という意味を表します。
現在では歯肉に生じた限局性腫瘤のうち、良性の線維性組織の増殖あるいは肉芽腫を総括した臨床名として用いられています。

組織学的分類
1.   炎症性エプーリス
肉芽腫性、線維性、血管腫性(妊娠性を含む)、骨形成性の一部
2.   腫瘍性エプーリス
線維腫性、骨形成性の一部
3.巨細胞性エプーリス

 これらのほかに先天性および裂状エプーリス(義歯性線維腫)があります。

原因と誘因
これらの限局的および内的要因によって形成されます。
1.不適合な金属冠、充填物、補綴物など器械的刺激
2.残根や歯石、歯肉縁炎などの慢性炎症性刺激
3.女性ホルモンなど内分泌の異常関与

臨床的特徴
好発部位
 上顎が下顎に比して約1.5倍多く、唇側に多く、特に歯間乳頭部に発現しやすいです。
好発年齢
本症は、比較的しばしばみられる疾患です。20歳代から40歳代に多く、女性が男性のほぼ2倍を占めます。

臨床症状
健康な歯肉からは、明瞭に区分される隆起した腫瘤としてみられます。
有茎性のものが多いですが広基性のこともあります。
一般に健常粘膜でおおわれ、表面平滑な球状ないし卵円形のものが多いですが、中には結節状や分葉状を示すものがあります。
硬さおよび色は一定せず、肉芽腫性や血管腫性では軟らかで赤みを帯び、特に後者では赤みが強く易出血性です。
線維性や線維腫性では比較的硬く、さらに骨形成性では含有骨の状態によって硬度が増強します。また淡黄色になります。
大きさは一般に大豆ないし拇指頭大で、発育は緩慢です。
大きくなるにつれて腫瘤基部の骨は圧迫吸収され、歯の動揺や傾斜も起こります。
またX線所見でも著明や骨の吸収像が多く認められます。

診 断
他の炎症性あるいは良性の腫瘍による腫瘤形成が対象になります。
最も大切なのは癌腫や肉腫で、その経過時に類似した形態をとることがので注意が必要です。

治療法
すべて、外科的に切除します。
この際、発生基部を取り残したり、原因になる因子を存続させたままにしておくと再発しやすいです。
原則的には関連の歯および歯槽骨を含めて、腫瘤を完全に除去すべきです。
しかし、歯の骨植がよい場合には腫瘤の除去後に基底部の骨の表面を削除するだけで良好な結果を得られることもあります。
妊娠性エプーリスでは分娩後に自然消失することもあるので、観血的処置は分娩後に検討したほうがよいです。

妊娠時に現れますが、分娩後には退縮します。

無痛性ですが容易に出血します。

妊娠性歯肉炎も妊娠性エプーリスも多くの場合出産後に前の状態に戻りますが、

妊娠前から口腔清掃状態が悪かった場合や妊娠中や出産後は、身体的な負担も多いので

歯科医院への受診が遅れてしまうと歯肉炎から歯周炎に進行してしまうこともあります。

またバイオフィルム感染症である歯周病は早産を引き起こし、低体重児出産の原因になると言われています。

妊婦の時はプロスタグランジンという子宮を収縮させる物質が分泌されます。

これはホルモンと似たような働きをする不飽和脂肪酸で体の組織や器官に含まれていて、

血管の拡張、血圧の上昇・降下、子宮などの筋収縮に関わります。

陣痛促進剤としても使われるほど強力な作用があり、

胎児が十分に育つとこの分泌が増えて、分娩を促すことになります。

では歯周病とどう関連するのかというと……

①歯周病の免疫反応により、炎症を抑えようとしえ作り出される”サイトカイン”が増えます。
②サイトカインが過剰になると…サイトカインは血液に入り込み、血流によって口外へいきます。
③サイトカインには子宮を収縮させ、頚部を拡張させます。そしてプロスタグランジンの分泌を促す作用があります!!
④プロスタグランジンの作用によって、子宮が収縮して栄養や酸素の供給が上手くいかず胎児の発育の邪魔をします。
⑤よって低体重児出産&早産の危険が高まります。
※早産だと後で重篤な障害が出現する可能性が高くなります。

 

悪阻がひどいと歯磨きも億劫になりますがかと言ってやらないと歯周病も進行してしまうので、

歯ブラシはまず嘔吐を考慮し頭の小さいものを選びましょう!

できる限り舌に当たらないよう気をつけながら磨いてください。

匂いに過敏な人は香料の強くない歯磨き粉を選びましょう。

歯磨きの姿勢は頭をやや下に向けて唾液が奥にたまらないように気をつけてください。

また気になる点等ありましたら気軽にスタッフに聞いてください。

ここまでよんでいただき、本当にありがとうございました。  本八幡 で歯医者を選ぶときは、本八幡TaCファミリー歯科をお願いします。

馬場 達也

 

著者紹介

馬場 達也(ばば たつや)

「もし自分が患者様の立場だったら......」

私は診療中に、何度もこの言葉を自分自身に問いかけています。自分が目の前の患者様なら、どんな治療を受けたいだろうか。こんな説明で納得できるだろうか。
このような自問自答を繰り返しながら、丁寧な治療やわかりやすい説明を心がけてきました。
とくに患者様の痛みにはしっかり寄り添いたいと考え、可能な限り治療の痛みを軽減するためにあらゆる工夫をしています。

また、治療前後の画像をお見せして共に回復を喜び合ったり、疑問があればすぐにお答えしたりと、患者様との人間同士の関係を大切にしてきました。
もちろん患者様に信頼していただくため、治療技術を高めるための努力も惜しみません。

『一時的』ではなく『一生涯』の担当医として、皆様に寄り添えたらという思いで日々診療にあたっています。【本八幡TaCファミリー歯科】をどうぞよろしくお願いいたします。

経歴
・昭和大学歯学部 卒業
・日本歯科大学附属病院 研修
・町田駅前グレイス歯科矯正歯科 勤務
・けやき歯科 勤務
・本八幡TaCファミリー歯科 開院
所属
・歯科医師
・ファイナンシャルプランナー 2級
・介護支援専門員(ケアマネージャー)
・日本口腔インプラント学会 所属
・インビザライン(マウスピース)矯正認定医
サーティフィケイト
・総合インプラント研修センター100時間コース受講