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感染性心内膜炎とは?
1)感染性心内膜炎とは?
感染性心内膜炎は、主に心臓病をもつかたが時にかかってしまう重い合併症です。
歯科治療の一部、およびその他の特殊な検査、治療に際しては、しばしば血液中に細菌が入りますが、通常はすぐに細菌は消えてしまいます。しかし心臓病のあるかたの場合、細菌が消えず、心臓内側の壁である心内膜、心臓内の弁、人工物などに細菌(かびの場合もあります)のかたまりができてしまうことがあります。
通常4-6週間以上の入院治療が必要となり、手術が必要となるケース、また死亡例もあるたいへん恐ろしい病気です。そこで可能な限り予防することが重要です。
なお感染源が不明で、気をつけていてもかかってしまう可能性もありますので症状を知っておくことも重要です。
2)感染性心内膜炎を疑う症状は?
咳や鼻水のような感冒様の症状がないにかかわらず、発熱の続くことが特徴です。
多くの場合倦怠感、食思不振などがみられます。3
8度を越す日が連続的に4-5日間以上続いた場合、また数日ごとに発熱を繰り返しているような場合は、はやめに担当医または近医小児科に相談することをおすすめします。なお手足などの皮下出血、発疹、脳梗塞などのみられることもあります。
3)予防の必要のある心臓病の種類は?
心臓病の種類により、下記に示した予防が必要な場合とそうでない場合がありますが、多くの先天性心疾患のかた、弁膜症のかたは予防が必要です。お子様の場合予防が必要であるか否か不明の場合は担当医にお尋ねください。
4)予防の方法は?
口内の不衛生や虫歯が原因となることが多く、口内の衛生を保つことは非常に必要です。
歯科医を受診して定期的に虫歯のチェックをすることも有用です。
また虫歯ができてしまった場合は、はやめに歯科医に相談しましょう。
そのとき心臓病のあること、処置によっては予防的に抗生剤を服用する必要のあることを伝える必要があります。予防には一般的にはアモキシリンというペニシリン系の抗生剤を処置の一時間前に一度服用することが勧められています。
予防投与が必要な処置
抜歯、歯周外科手術、スケーリング(歯石除去)、ルートプレーニング、インプラント植立、歯牙再植、歯根端切除術、根尖孔外の歯内治療、骨膜下局所麻酔注射
予防投与は不要な処置
充填処置、補綴処置、矯正装置の調整、口腔粘膜の局所麻酔注射(骨膜下注射は不可)、根管内の歯内治療、支台築造、ラバーダム、縫合糸の抜糸、印象採得、フッ素塗布、口内法によるX線撮影、乳歯の自然脱落
その他では膀胱鏡検査、大腸鏡や直腸鏡による生検、皮膚の切開など、および多くの手術に際して予防することが必要とされています(胃や食道の内視鏡検査、鼓室へのチュービング、尿道カテーテル挿入などは予防不要とされています)。将来それらの検査や手術を受けるときも、心内膜炎の予防が必要であることを担当医師に必ず伝えましょう。
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