コラム COLUMN
歯の表面のザラザラをツルツルにするには
院長の馬場です。
歯の表面のザラザラでまず考えられるのは、歯垢や歯石が歯の表面に付いたまま残っているということです。
通常は歯磨きの時に歯の表面をきちんとブラッシング出来ていれば、歯石は落とせます。しかし、歯垢がたまたま落とせずに残ってしまっていることが考えられます。
歯垢による歯面のざらつきに対しては、ザラザラ感を感じた時にすぐにブラッシングをするときれいに除去することが出来ます。
しかし歯垢が歯に残ったままで時間がたってしまうと、歯垢は硬い歯石になってしまい、そうなると歯ブラシで落とすのは困難です。
歯科医院で定期健診を受けておられる方は、歯面の汚れには歯科衛生士が気づきますし、クリーニングできれいに落とせます。セルフケアで取れなかった歯石も、定期健診では専用の機具を使って除去することが出来ます。
歯の定期健診を受けておられない方は、これを機会に定期健診を受けてみませんか?
歯のザラザラの原因は虫歯?
一番考えたくないのが、虫歯による歯面のザラザラ感です。
一番初期の虫歯は脱灰といい、酸によって歯の表面のエナメル質が少し溶かされた状態です。ほんのわずかの脱灰でしたら、唾液の再石灰化という働きで修復可能です。
しかし唾液による修復が追い付かない場合は、そのまま虫歯になってしまいます。初期の虫歯は痛みがありませんので、なかなか気づけませんが、歯の表面の状態が少しでもおかしく違和感を感じた場合は、歯科の定期健診を受けてチェックすることをおすすめします。
歯のザラザラの原因は詰め物のせい?
虫歯を削ってレジン(歯科用プラスチック)で詰めておられる場合は、レジンの表面がザラザラになる場合があります。
プラスチックは吸水性がありますので、治療直後はツルツルでも、徐々に表面がザラザラしてきます。レジンは保険適用で歯に近い白い色が選べますので、小さな虫歯を削ったあとの詰め物として良く使われますが、プラスチック素材のため着色もしやすいのが特徴です。
レジンの表面を出来るだけツルツルで着色のない状態に保つためには、歯磨きだけでは不十分で、定期健診の際に歯のクリーニングをして、表面を磨いてもらう必要があります。
レジンの着色汚れもクリーニングでかなり落ちます。レジンを詰めてからかなり年数が経っている場合は、歯のクリーニングを受けても、ジンと天然歯の境目に沿って茶色い汚れがついてしまって落ちない場合もあります。
どうしても着色汚れが落ちない場合は、レジンを一度取り去ってしまって、新たに詰め直すこともあります。
ザラザラの原因は歯に傷がついているかも?
歯磨きが強すぎる方は、歯の表面に細かい傷がつく場合があります。また、研磨剤入りの歯磨き剤をずっと使っていて歯を擦りすぎたために、歯の表面に傷がつく場合もあります。
対処方法としては、歯ブラシを当てる力加減を工夫してみること、研磨剤の入っていない歯磨き剤に変えてみることなどを行い、しばらく様子を見ていただくと良いと思います。
ザラザラの原因は歯が欠けたり割れたりしているかも?
虫歯で歯に小さな穴があいたり欠けたりしていると、舌で触るとザラザラしていると感じる場合があります。奥歯などの見えづらい場所は、ご自分では歯がどんな状態になっているかわからないかもしれませんので、歯医者でチェックしてみましょう。
歯が少し欠けているけれど虫歯ではない場合は、欠けの大きさによっては研磨だけで済むときと、レジンで詰めるときがあります。
「トリートメントケア」・・・それ何?というお声が聞こえてきますね。業界的には略して「トリケア」。そんなことはどうでもいいんですが。まぁ、ギロッポンと同じような略称ですね。
トリートメントケアってきくと、髪の毛のあれ?と思われるでしょうが、実は、まんざら、はずれではありません。私は、髪の毛の方は詳しくはありませんが、CMとかでは、髪の毛の構造体であるキューティクルが損傷してしまったところをトリートメント剤で補う、補修するという風にうたっていますね。
全然、成分的に違うのですが、理論はかなり似ています。
実は毎日の歯ブラシや食事をとることで歯の表面は細かく傷ついているのです!!
また、歯石をとる際の超音波装置(超音波スケーラーと呼ばれています)の使用によっても細かい傷が付きます。当然ですが、歯石をとるときには、歯科衛生士はすごく注意して超音波スケーラーを強く歯に当てないようにしています。
そして、この歯の表面の細かなキズを放置すると、プラークや歯石が付きやすくなるのです!!
歯石・プラークは取らなきゃいけないのに、とったらとったで、歯の表面に細かい傷がつく!!
まいりましたね。ディレンマというやつです。
これまでは、超音波スケーラーの使用後に、粒子の細かい研磨剤で「仕上げ研き」というのをして細かい傷を取るようにしてました。
もちろん、限界があります。完璧には傷は取れません。
ところが、近年、いいものができたのです。それが「トリートメント剤」なのです。
これは、歯の表面にあるアパタイトの構造体にできた傷に、アパタイトの微細な粒子を刷り込むように塗りつけることで、傷を補修してしますのです!!
素晴らしい!! 解決策です。
開発者に拍手!!!
やたらにエクスクラメーションを使ってしまいました。
そういうわけで、「トリートメントケア」は歯のビタミンみたいなものです。とてもいい治療法なのでぜひお試しいただきたいと思います。
ただし、トリートメントケアは歯石の掃除の後がとても有効です。歯石の掃除をしないでトリートメントケアだけ行っても効果は半分くらいしかありません。
汚れたままの車にワックスを塗ってもきれいにならないのと同じです。
本八幡の歯医者 本八幡TaCファミリー歯科でもご相談をうけつけております。
著者紹介
馬場 達也(ばば たつや)
「もし自分が患者様の立場だったら......」
私は診療中に、何度もこの言葉を自分自身に問いかけています。自分が目の前の患者様なら、どんな治療を受けたいだろうか。こんな説明で納得できるだろうか。
このような自問自答を繰り返しながら、丁寧な治療やわかりやすい説明を心がけてきました。
とくに患者様の痛みにはしっかり寄り添いたいと考え、可能な限り治療の痛みを軽減するためにあらゆる工夫をしています。
また、治療前後の画像をお見せして共に回復を喜び合ったり、疑問があればすぐにお答えしたりと、患者様との人間同士の関係を大切にしてきました。
もちろん患者様に信頼していただくため、治療技術を高めるための努力も惜しみません。
『一時的』ではなく『一生涯』の担当医として、皆様に寄り添えたらという思いで日々診療にあたっています。【本八幡TaCファミリー歯科】をどうぞよろしくお願いいたします。
- 経歴
- ・昭和大学歯学部 卒業
・日本歯科大学附属病院 研修
・町田駅前グレイス歯科矯正歯科 勤務
・けやき歯科 勤務
・本八幡TaCファミリー歯科 開院 - 所属
- ・歯科医師
・ファイナンシャルプランナー 2級
・介護支援専門員(ケアマネージャー)
・日本口腔インプラント学会 所属
・インビザライン(マウスピース)矯正認定医 - サーティフィケイト
- ・総合インプラント研修センター100時間コース受講