コラム COLUMN
歯科におけるロキソニンの効果は?
ロキソニンの効果と特徴
麻酔が効いている間に飲む。
治療後に麻酔が切れてお痛みが出ることはよくあります。抜歯後もそうですし、虫歯を削った後もお痛みは出やすいです。
(虫歯を取ったのになぜ痛みが出るんですか?と聞かれることがよくあります。それは虫歯を削る際に少なからず歯の中の神経を刺激していることによって痛みが発症することがあるからです。)
効果が発揮される時間は30~60分後
ロキソニンを飲んでから効き始めるまで、個人差はありますが30~60分程度かかります。そのため痛みが強くなる前に服用した方が効果的です。強い痛みの場合は1回に2錠まで服用することができますが、空腹時は避け、2錠服用した後には4時間以上はあけてください。
炎症を抑える効果として1日3錠毎食後に服用
ロキソニンは痛みを抑える効果と炎症を抑える働きもあります。炎症が進むと痛みだけではなく熱が出たり腫れてきたりします。歯茎の腫れなどの炎症を抑える効果も期待して歯医者さんでは処方しています。
多く飲んでも効果は変わらない
痛みや腫れが引かないからといって、一度にたくさん飲まないように注意してください。
上述したように、痛みが強い時には1回2錠まで、次に飲むときは最低4時間はあけるようにして下さい。お痛みが強く、一度に何錠も飲まれる方がたまにいらっしゃいますが、
ロキソニンが効きにくくなってしまうのでお気を付けください。
効いている時間
ロキソニンの効果はお痛みの程度や人それぞれ個人差があります。親知らずの抜歯後などの強い痛みがでた場合はロキソニンを飲んでも4時間ほどで切れてしまうこともあります。
痛みが引いてくるとロキソニンの効果時間も長くなります。
(お痛みがなくなったらロキソニンの服用をストップしましょう。)
ロキソニンを飲む際の注意点や副作用
空腹時は避ける
ロキソニンの最も多い副作用として胃腸障害があります。胃薬と同時に処方する場合もありますが、空腹時は避けて服用するようにしましょう。
お酒を飲まない
ロキソニンは肝臓でも分解されます。(ほとんどは腎臓で分解されます。)
お酒のほとんどは肝臓で分解されるため、ロキソニンを服用している時にお酒を飲むと肝臓に大きな負担がかかります。そのためアルコールが分解されにくくなったり、湿疹が出やすくなることもあります。
妊娠後期には服用しない
妊娠中にロキソニンを服用することは可能は可能なのですが、出産予定の12週以内にはあまり服用しない方が良いです。それでも痛み止めが必要な時には医院と相談のうえでカロナールを服用された方が良いかと思います。
アスピリン喘息の方は服用しない
アスピリン喘息の方はロキソニンを服用すると発作を起こす場合があります。
喘息にもいろいろ種類がありますので、アスピリン喘息ではないと断定できない場合には
服用を控えましょう。
ロキソニンが効かないことが多いケース
炎症が起きる原因は、虫歯や歯周病菌などの細菌が原因ですが、痛み止めだけでは痛みを取り除けないことが多いのも事実です。ロキソニンで痛みを抑えるのが難しいケースについてお話します。
骨もしくは歯茎に膿がたまっている場合
ばい菌による膿がたまって内圧が高まって強い痛みが発症するケースです。
痛み止めを飲むことでいくらか痛みが引くことはあるかもしれませんが、膿を出して
内圧を下げないと基本的には痛みは変わりません。
咬み合わせによる痛み
軽度であればロキソニンも効くかもしれませんが、歯が動く・揺れるくらい歯にストレスがかかっている状態ですと、痛み止めを飲んでいてもお食事をしてその歯にストレスがかかると痛みます。咬み合わせの調整やマウスピースを作るなどをしないと繰り返してしまいます。
大きすぎる虫歯
歯の中の神経まで到達してしまっているくらいの虫歯ですと、神経が感染してしまっていることがほとんどなので、痛み止めの効果はほぼ期待できないことが多いです。
原因である虫歯や神経を取らないと痛みは引かないです。
すぐに歯医者さんに行けないときの応急処置
- 痛い歯を刺激しない(触らない・咬まない)
- お口の中を清潔にする
- 炎症直後は腫れているところを冷やす(冷やし過ぎには注意)
- 合谷(ごうこく)という親指と人差し指の付け根にあるツボを押す
(いずれも個人差がある応急処置なので、痛みが必ず和らぐというものではありません。)
痛みがひどくなる前に歯医者さんに行くのが大前提
歯の痛みというのはタイミング悪く出るものです。旅行先や病院が閉まっている夜中や祝日… 今回はそういった、タイミング悪く歯が痛くなってしまった時のロキソニンの上手な服用の仕方についてお話してきました。ただ、あくまで痛み止めのお薬は治療ではなく一時的に対処するものであるということを
忘れないでください。
仮に鎮痛剤で一旦お痛みが引いたとしても、時間が経てば悪化した状態でお痛みが出ます。ほとんどの炎症は、急にものすごく痛くなるということは実はまれで、その以前に何かしらのサインを体が出していることが多いです。(違和感や軽度の痛みなど。)そのサインを見逃さず早い段階で対応することがとても大切です。