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どうしたら歯周病になりにくいか

こんにちは、院長の馬場です。

歯周病菌はどこからやってきてどのように感染するの?

虫歯菌が親子で感染しやすいということは最近よく知られるようになりました。歯周病菌も虫歯菌と同じく、生後、周囲の人から感染します。

歯周病菌が感染する経路は唾液です。他人の唾液が口の中に入り込む経路は、意外とたくさんあります。例えば、お母さんと赤ちゃんが同じスプーンや食器を使って食事をするだけでも、歯周病菌に感染します。鍋料理や大皿に盛った食べ物を各自の箸で取り分ける等、様々なシーンで唾液による感染が起こります。

もちろん恋人同士のキスでも歯周病がうつってしまいます。だからといってキスをしてはいけないのではなく、歯周病にならないように互いのお口の中を清潔にすることが大切です。

このように、歯周病菌は生活の中で親子や夫婦の間で感染しやすいため、家族の中に歯周病の方がおられる場合は特に、食器など口に入れるものを共用しないように気をつける必要があります。

同時に、家族全員がそれぞれ歯科の定期健診を受けるようにすると、歯周病のリスクを減らし、現在の症状を改善することが出来ます。

歯周病を引き起こす細菌にはどんな種類がいるの?

お口の中には300~400種類もの細菌が存在しています。その中には、乳酸菌などの善玉菌と、虫歯や歯周病を引き起こす悪玉菌、そして善玉菌か悪玉菌のどちらか多い方と同じ働きをする日和見菌と呼ばれる細菌が存在しています。

歯周病を引き起こすとされている細菌は、アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンス(A.A菌)、プロフィロモナス・ジンジバリス(P.G. 菌)、プレボテーラ・インテルメディア(P.I菌)、スピロヘータなどがあり、これらを歯周病菌と称します。

歯周病菌は空気を嫌う性質がありますので、歯と歯茎の境目の溝の部分(歯肉溝)に棲みつきます。そこでどんどん細菌が増殖すると、歯周ポケットが形成されて歯肉の腫れを引き起こし、そのまま放っておくと歯槽骨まで破壊されてしまいます。

レッドコンプレックス

歯周病菌にはたくさん種類がありますが、その中でも歯周病を発症しやすい3種類の歯周病菌のことをレッドコンプレックスと呼んでいます。

その3種類とは、フォルフィロモナス・ジンジバリス(Pg菌)、トレポネーマ・デンティコラ(Td菌)、タネレラ・フォーサイセンシス(Tf菌)とよばれる細菌たちで、歯周病治療ではこれらの細菌を減らすことで症状を改善させることを目標の一つとしています。

は、どうしたら予防、つまりお口の健康を守ることができるのでしょうか?
方法は明確です。

「ご自宅でのケア」と、「歯科医院でのケア」を両立させることです。

多くの方は、「自宅でのブラッシングをしっかり行えばいいのでは?」と思われるかもしれません。
もちろんご自宅のケアは大切ですが、それだけでは除去できない汚れ(歯石等)があります。

この汚れは、歯科医院で特殊な機材を利用して除去する必要があります。
これを知らないために、一生懸命ご自宅でケアをしても虫歯や歯周病になってしまうのです。

虫歯や歯周病になりやすい人、なりにくい人が存在しますので、「その方にあったケアが何なのか」を患者さんご自身、そして歯科医院側がしっかりと把握することが大切です。

具体的には

  • 正しい歯みがき、うがいを習慣にする

    歯槽膿漏を予防するためには、なによりも正しい歯みがきの方法を習慣づけることが大切。食後に歯みがきをする時間が取れないときには、口をゆすぐだけでも何もしないより効果的です。

  • デンタルフロス&歯間ブラシを使う

    歯ブラシだけでは、歯と歯の隙間に食べカスや歯垢が残っている可能性があるので、歯みがきの際には、デンタルフロスや歯間ブラシを一緒に使いましょう。例えば、歯と歯の隙間があまりない人はデンタルフロス、隙間がある人は歯間ブラシと使いわけると磨きやすくなります。

  • 歯石がある人は、歯科で定期的に除去してもらう

    歯石がある場合には、歯科で取りのぞいてもらってください。歯石は歯周病菌を増やす原因となるため、放置しないようにします。

  • 定期的に歯のクリーニングや検診を受ける

    3か月に一回は歯科に通い、定期的な歯のクリーニングや検診を受けましょう。もし歯石があれば除去できますし、歯周病を発症していたとしても、そこまで悪化していないタイミングで治療を始められます。

  • 歯列矯正をする

    歯に隙間がある、歯ならびが悪いなどの場合、食べ残しが歯の隙間に詰まりやすく、歯槽膿漏になりやすい状態といえます。歯列矯正をすることで、歯周病菌が繁殖するリスクを減らせます。

  • 禁煙する

    喫煙をしている人は、そうでない人に比べて歯周病になりやすいというデータがあります。喫煙をしていると、歯茎を含めた全身の免疫機能も低下してしまうため、菌が繁殖しやすくなるのです。

本八幡TaCファミリー歯科では歯周病の相談も常に行なっていますので、ぜひ相談にいらっしゃってくださいね!ここまで読んでいただきまして本当にありがとうございました。

著者紹介

馬場 達也(ばば たつや)

「もし自分が患者様の立場だったら......」

私は診療中に、何度もこの言葉を自分自身に問いかけています。自分が目の前の患者様なら、どんな治療を受けたいだろうか。こんな説明で納得できるだろうか。
このような自問自答を繰り返しながら、丁寧な治療やわかりやすい説明を心がけてきました。
とくに患者様の痛みにはしっかり寄り添いたいと考え、可能な限り治療の痛みを軽減するためにあらゆる工夫をしています。

また、治療前後の画像をお見せして共に回復を喜び合ったり、疑問があればすぐにお答えしたりと、患者様との人間同士の関係を大切にしてきました。
もちろん患者様に信頼していただくため、治療技術を高めるための努力も惜しみません。

『一時的』ではなく『一生涯』の担当医として、皆様に寄り添えたらという思いで日々診療にあたっています。【本八幡TaCファミリー歯科】をどうぞよろしくお願いいたします。

経歴
・昭和大学歯学部 卒業
・日本歯科大学附属病院 研修
・町田駅前グレイス歯科矯正歯科 勤務
・けやき歯科 勤務
・本八幡TaCファミリー歯科 開院
所属
・歯科医師
・ファイナンシャルプランナー 2級
・介護支援専門員(ケアマネージャー)
・日本口腔インプラント学会 所属
・インビザライン(マウスピース)矯正認定医
サーティフィケイト
・総合インプラント研修センター100時間コース受講