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リウマチと歯周病の関係性

院長の馬場です。

簡単にまとめると「関節リウマチと歯周病は一見全く違う病気に思えますが、実は非常によく似た性格を持っている。またリウマチの治療薬もお口の状態に問題を引き起こすことがある。」ということです。

よく知られているように関節リウマチとは、関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊されて関節の機能が損なわれ、放っておくと関節が変形してしまう病気です。関節の腫れや激しい痛みを伴います。あごの関節(顎関節)にもリウマチが発生し、口を開けるときの痛みや開口障害を起こすこともあります。
20年ほど前にこの関節リウマチ(RA)患者で歯周病の罹患頻度が高いことが初めて報告されました。はじめはRAの患者様は手や指が動かしにくいことから口腔衛生不良となり歯周病を併発しやすいと考えていましたが、現在では様々な研究により多くの原因が明らかにされ、RAの治療に用いる免疫抑制薬による易感染性や骨粗しょう症を併発することによる影響も考えられています。
現在の臨床の現場では、RAの診断や病気の状態(病態)を把握するためにいろいろな検査を行います。
確定診断にはリウマトイド因子(RF)や環状シトルリン化ペプチド(CCP)に対する自己抗体(抗CCP抗体)を測定して判断し、病勢、治療効果をみるためには1-3ヶ月ごとにCRP、3ヶ月ごとにMMP-3などの検査を行い、病気の趨勢を把握します。

歯周病菌は暗躍する

専門的になりますが、歯周病の原因となる細菌感染は、いろいろな酵素を介してタンパクシトルリン化に伴う自己抗体の産生と免疫バランスの破綻をもたらしRAを引き起こすことがあり、この二つの疾患はかなりよく似た病態であるとされています。主な歯周病の原因菌であるPorphyromonas gingivalis(Pg菌) もこの発症プロセスに関連したタンパクアルギニンデイミナーゼ(PAD)を保有し、生体組織タンパクをシトルリン化することが知られています。Aggregatibacter actinomycetemcomitans (Aa菌)もleukotoxin Aにより好中球PADを活性化することが報告されています。そのため歯周病の部位のシトルリン化タンパクが全身に波及してRAを惹起する可能性は十分考えられ、実際に歯周治療でRAの病状が改善することがこれまで数多く報告されています。
これらのことからRAの予防や進行抑制のためには、お口のケア、歯周病の治療、管理が非常に重要であることがわかってきました。
RA は遺伝的な要因が関与することや、喫煙により病勢が悪化することが知られており、家族にRA の方がいらっしゃる場合や、喫煙がやめられない方は、特にお口のケアを心がけて頂くことをお勧めいたします。