院長の馬場です。乳歯をどのタイミングでどうして抜歯するのか？難しいですよね、、、今回は詳しく解説していきます。

乳歯が抜けていないのに永久歯ってはえてくるのでしょうか？

通常は乳歯が抜けてから永久歯が生えてきますがそうでない場合もあります。
乳歯の生え変わりは自然に生え変わらないことも多く、乳歯の生え変わりの時のトラブルが永久歯の歯並びに影響することもあります。
今回は乳歯の生え変わりについて、時期や順番、トラブルをまとめました。

1．乳歯の生え始めについて
乳歯は生後6か月頃から生え始め、基本的に3歳半までに生え揃えば
問題ありませんが、1歳を過ぎても生えてこない場合は歯医者さんに相談しましょう。

2．乳歯の生え変わりについて
永久歯は生後3か月頃から歯茎の中で成長をはじめますが、乳歯の根のまわりに
組織を破壊する細胞があらわれ、乳歯の根は次第に溶かされ吸収されて、短くなって自然に抜けていきます。

一般的には6歳前後から6～7年かけて乳歯から永久歯へと生え変わります。
永久歯が生えそろうと、かむ力が強くなり、いろいろな食べ物が食べれるようになります。
乳歯が抜けた後、歯並びや虫歯が気になる場合はお近くの歯医者さんに
相談してください。

3．乳歯と永久歯の違いについて
乳歯と永久歯の違いはいくつかありますが、のちに生え変わる乳歯は永久歯に
比べて強くなく、虫歯になりやすいですので毎日しっかり歯磨きしてください。
また、色は乳歯は白に近く永久歯は少し黄色味を帯びています。
大きさは永久歯より一回り小さく、20本生え、永久歯は28本生えます。
（親知らずの4本を含めると32本生えます。）

【生えかわりの時歯並びを悪くしないための対処法】

1．乳歯が抜けていないのに永久歯が生えてきてしまった時

①．乳歯が揺れているが永久歯が下から出てきた
乳歯が揺れているのであれば出来るだけ揺らして抜けるように
手助けしてください。
だだし、強く痛みが出るようであれば歯医者さんに抜歯してもらってください。
特に下の歯の前歯に起こりやすく、乳歯が抜ければ
裏側から前に移動します。

②．乳歯が揺れているがいつまでも抜けずに残っている
奥歯に起こりやすく、乳歯の根は２本あり、永久歯が斜めに生えてくると
片方の根が溶けずに残ってしまい揺れはしても、なかなか抜けないことが
あります。歯医者で抜歯をしてもらう必要があります。
乳歯が抜ければ永久歯は正しい位置に移動することが多いです。

③．乳歯が全然揺れていない
乳歯が全然揺れていないのに永久歯が出てきてしまうことがあります。
骨の中で永久歯の位置がずれて、乳歯の根を溶かさずに出てきてしまったためです。
歯医者で抜歯をしてもらう必要があります。乳歯を抜歯すれば永久歯は
正しい位置に戻ります。

2．乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない時

①．乳歯が抜けても3か月永久歯が生えてこない
しばらく様子を見てください。
上の前歯は乳歯が抜けても永久歯がなかなか生えてこないことが多いです。

②．乳歯が抜けても半年生えてこない
歯医者さんでレントゲンを撮って歯茎の中に永久歯があるか、
異常がないか確認をしてください。
問題なければ、もう少し経過を観察してください。

③．先に隣の永久歯が出てきた
永久歯には自然に生えてくる力はありません。
矯正の力を使って引き上げる処置をします。

３．乳歯がいつまでも生え変わらない時

①．成長がゆっくりな方
乳歯が交換の時期になってもかなり残っている場合があります。
レントゲンを撮って永久歯の存在がわかれば交換まで待ってください。

②．下に永久歯がない先天性欠如
乳歯の下に永久歯がない先天性欠如の方がいます。
その場合は乳歯をそのまま使い続けるか、歯列矯正で乳歯を抜いて永久歯を
寄せてきます。

③．生え変わりが左右対称的でない
特に前歯の場合で右だけが生え変わっているのに、
左がなかなか生え変わらない場合は、歯の真ん中がずれてしまうので、
レントゲンで確認し、乳歯を早めに抜歯する場合があります。
また、歯列矯正が必要な場合もあります。詳しくは「うちの子大丈夫！
子供の歯並びが悪くなる７つの癖と８つの異常」を参考にしてください。

④．乳歯が歯茎の中に埋まっていってしまった時
下に永久歯があるのに乳歯が歯茎の中に埋まっていくことがあります。
永久歯の根が２／３完成していれば乳歯を抜歯します。
しかし、永久歯も出てこないことがあり、歯列矯正で永久歯を引き上げることがあります。

4．6歳前後から永久歯に生え変わり始める

永久歯への生え変わりが始まる時期は6歳前後ですが、子供によって早い人も
いれば遅い人もいます。

下の歯は前歯から順番に進み最後に乳歯の奥歯が生え変わります。
上の歯は前歯から生え変わり最後は犬歯が生え変わります。

12歳くらいまでに多くの人は全て生え変わりますが、生え変わりは
個人差が大きく14歳になっても乳歯が残っている人もいますので、
前後２年くらいは範囲の中だと思ってください。

5．乳歯の虫歯は永久歯の歯並びを悪くする
乳歯は、あとから生えてくる永久歯の生える方向を導く役割を担っています。
そのため、乳歯がひどい虫歯になり抜歯してしまうと永久歯は道しるべを失い、歯並びが悪くなってしまいます。
歯並びが悪くなるとかみ合わせが悪くなったり、正しい発音が出来なかったりとトラブルの原因になりますのでしっかりと治療をしましょう。

6．矯正治療のタイミング

下の前歯が４本、上の前歯が２本生え変わったところで凸凹があったり、
かみ合わせがずれていたりすれば一度歯医者に相談してみてください。
生え変わりのタイミングで歯列矯正をすることによって、歯を抜歯したり、
ブラケットを付ける矯正治療をしなくてもいい場合があります。

まとめ
乳歯の生えかわりは永久歯の並びにとても大きな影響を与えます。
仕上げ磨きの時におかしいと思ったら歯医者に相談してください。
タイミングよく乳歯が交換していけば、一生使う永久歯がきれいに生えてきます。
乳歯の生え変わりや歯並びは個人差があります。